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2005,11,17
教育の危機!宣言

  いま公教育・義務教育は戦後最大の危機に瀕している。
  政府は「三位一体の改革」の名の下に地方への補助金や交付金の削減を強く求めている。「三位一体の改革」は地方の財政的な自主性を高めていく改革であり、その理念は理解できる。しかし、その中で義務教育費国庫負担金が廃止すべき負担金にあげられていることは到底納得できない。
  この国の繁栄を支えてきたもののひとつに、国際的にも評価の高い教育がある。それは国からの財政支援により、どこに住んでいようと均質な一定水準の教育条件が保障されていたからに他ならない。しかし、義務教育費国庫負担制度を廃止して、何にでも使える交付金化や一般財源化してしまったら、義務教育は簡単に崩壊してしまうだろう。文部科学省官僚の言葉を借りれば、「借金で首が回らなくなった家庭に、いくら教育用にお金を渡しても、使い道が限定されなければ、借金の返済に充てられるに決まっている」わけだ。私たちの住む岡山県も、きわめて厳しい財政状況である。
  このまま義務教育費国庫負担制度が廃止されてしまえば、地域間格差が拡大し、保護者の経済力によって学力や学歴に差ができ、格差も拡大されるだろう。義務教育費国庫負担制度は、すべての国民が等しく無償で十分な基礎教育を受けられるようにするための不可欠の制度である。
  私たちは、憲法で保障されている「教育を受ける権利」の侵害につながる教育の重大な危機であると考え、ここに「教育の危機!宣言」を発し、現行の義務教育費国庫負担制度を堅持するよう、保護者・市民の皆様に強く訴えます。

岡山県教職員組合


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