OTUニュース
2019.1.17
想像力をもって


  以前は、さまざまなアンケートや提出書類の中にある性別表記の欄に、迷いもなく「男」に○を付けていました。まあ、(男、女)はあっても(女、男)は見ないなあ、と思う程度でした。でも、性自認や性的嗜好はさまざまであることを学習していくうちに疑問を抱くようになってきました。この欄を見て手が止まってしまう人がいるのではないか・・・
  日本における性的マイノリティーの割合は約8%と言われています。これは左利きの人や血液型がAB型の人の割合とほぼ同等です。教室に40人の子どもがいれば、3人が性的マイノリティーということになります。実際にいるかいないか、ではなく「いるかもしれない」という想像力が大事です。そもそも、男性である、女性であるということを区分することにどれだけの必然性があるのか、ということだと思います。
  学校でも、私が子どもの頃には出席簿の男女別は「当然」でした。しかし今では、岡山県においては、小学校では9割以上が性別で分けない名簿(いわゆる男女混合名簿)を使っています。中学校ではそこまで進んでいませんが、ここでも男女別の名簿に記載された名前に違和感をもち、苦しんでいる生徒がいるかもしれないという想像力をもって考えていく必要があるでしょう。
  先日、弁護士や大学教授らでつくる「公的発言におけるジェンダー差別を許さない会」がネットで投票を呼びかけた結果が公表されました。1位は「セクハラ罪という罪は無い」「財務省担当者はみんな男にすればいい」等々の発言を繰り返したA大臣、2位は「LGBTは生産性がない」で有名になったS衆議院議員、3位は「(女性は)必ず3人以上の子どもを産み育てていただきたい」のK衆議院議員。社会的影響力のある人たちの無神経で想像力のない発言が飛び出すたびに、自らのアイデンティティーに迷い、苦しんでいる人々がいることを忘れてはなりません。
  想像力を拡げていけるよう学習を積み重ねていきたいと思います。

(梶原洋一)



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