OTUニュース
2018.10.02
違いを豊かさに


  独立行政法人「国立青少年教育振興機構」が昨年秋に行った国際比較調査によると、日本の高校生の自己肯定感が他国に比べて圧倒的に低いことが明らかになりました。この調査は、日本のほか、米国、中国、韓国の高校生を対象に毎年実施しているもので、近年は傾向に大きな変化は見られません。「自分は価値ある人間だと思うか」という問いに対し、「そう思う」「まあそう思う」と答えた高校生の割合は、米国83.8%、韓国83.7%、中国80.2%に対し、日本の高校生は44.9%でした。生まれてからまだ十数年しか経っていない高校生の半数以上が、「自分は価値ある人間と思っていない」ということです。衝撃的で、悲しい数値です。自分という人間とは一生付き合っていくわけだから、好きになってほしいと切に思いますが、現実の世界は思った以上に厳しいようです。
  一方的で画一的な価値観のみが大手を振ってまかり通る。そのため、本来多面体であるはずの人間が、限られた物差しのみで測られてしまう。そのことによって、どれだけの子どもたちがつらい思いをしていることか。教育の再生だ!として、小学校でも英語を教えろ、道徳を教科にしろ、プログラミング教育を推進しろと叫ぶ前に、もっと根本的で普遍的な教育のあり様についてこだわりをもつべきだと思います。
  大人も子どもも十人十色。違いがあるからお互いが豊かになれるのですから。

(梶原洋一)



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