OTUニュース
2018.07.12
まずは率先垂範でしょうが


  今年の4月から小・中学校では新しい学習指導要領への移行が始まりました。まあ専門的なことはいいとして、何が変わるのかといえば、例えば小学校では3・4年生に新しく年間15時間の「外国語活動」が始まり、5・6年生は、現行の35時間にさらに15時間を加えて50時間の外国語活動となります。各小学校では、すでにパンク寸前の教育課程に、さらに15時間の授業時間を確保するために四苦八苦の状況です。子どもも教職員も大忙しです。 国連人権委員会は、日本政府に対して「日本の教育はあまりに競争的で、子どもの心身に過度のストレスを与え、健全な発達を阻害している」と何度も勧告していますが、お構いなしのようです。また、世間では「働き方改革」などと言っていますが、学校の教職員には関係なしの状況です。それってどうなんでしょう。
  そしてもう一つ。道徳が「特別な教科」として始まることです。道徳は昔からあったじゃないか、と言われそうですが、これまでは「教科」ではありませんでした。教科となれば、新たに二つのことが加わります。ひとつは教員が「評価」をしなければならないこと。もうひとつは、「検定教科書」を使うことになることです。現場からは、そもそも道徳を「評価」できるのか、という議論が噴出しましたが、とにかく始まったのです。
  特別な教科としての道徳が始まるにあたり、文科省は学年ごとの「指導の観点」を作成しました。これについて教えなさい、というものです。それによると、例えば、小学校1・2年生では、「うそをついたりごまかしたりしないで、素直に伸び伸びと生活すること」と書かれています。また、3・4年生では「誰に対しても公正・公平な態度で接すること」とあります。うそをついたりごまかしたりしてはいけません、特定のお友だちにだけ優しくしてはいけません、ということです。
  ならば、率先垂範が何よりも大事でしょう。
  子どもたちは、大人が考える以上に大人たちを見ているのです。

※ 道徳についてあえて加えるなら、「解説」の中に、「体験活動の工夫」や「家庭・地域社会との連携」「地域教材の開発」などの文言も散見されます。案外ここがポイントなのかもしれませんよ。工夫の余地あり、です。

(梶原洋一)



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