OTUニュース
20071220号
「人と人との間で生きること」


  2007年も残りあとわずかとなった。師走の声を聞くと、何はなくても何となく気忙しく感じてくるから不思議だ。12月早々にスーパーに流れるジングルベルを聞いて、もうクリスマス気分になってしまう人も多いのではなかろうか。この頃時間の流れが速く感じてしょうがない。年齢とも大いに関係あるかもしれない。
  私も今の大役を仰せつかってから9か月を経過した。この間、さまざまなとりくみのなかでつくづく感じるのは、人と人とのつながりの温かさである。私自身、そのことで随分助けていただいたし、気持ちよく仕事もさせてもらうことができた。おそらく、私が気づかないところで、その何倍も「人に生かされた」場面があったろうと思う。ありがたいことだと思う。
  ところが、先日テレビの画面にパンツ一丁の「芸人」が登場し、「そんなの関係ねえ、そんなの関係ねえ…」と叫んでいるのに出くわした。画面のバックは大いに盛り上がっている様子。息子に尋ねてみると、只今流行中だとのこと。芸のない「芸人」が増えていることを苦々しく思ってはいたが、これが「芸」か?そして、それを聞いて大笑いしている大人たちはいったい何なんだ。「関係ねえ」の一言が、人間同士のつながりを問答無用で断ち切ってしまうことがあることを私たちはもっと真剣に考えなければなるまい。
  くらしの基本である「衣・食・住」のどれをとっても、「独り」で事足りる人は、少なくとも今の日本のなかにはいないだろう。「関係ねえ」ことはないのだ。今朝食べた食事のなかにも、まだ見たこともない地球の反対側でくらす人々の「苦労」や「工夫」があるかもしれないのだ。
  お互いに助けたり助けられたり、そして時には迷惑をかけたりかけられたり・・・。本来、「生きる」とはそういうことなのだと思う。
  人と人との間で生きる、あるいは生かされている、だから「人間」。
  時々はそのことを思い浮かべ、噛みしめていきたいと思う。
(梶原洋一)


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